ロイヤルハワイアン

モチーフの意味：
「王室の鷹」「ハワイの歴史」

アメリカ合衆国に存在する唯一の宮殿「ʻIolani Palace(イオラニ宮殿)」。1882年に第7代目カラカウア王によってイオラニ宮殿が造られました。ヨーロッパにある宮殿ほど華やかさはなかったようですが当時としては最先端の技術である電話や電気、水洗トイレが備えた宮殿でありハワイ王国の“栄華の象徴”として国中に知られていました。

ʻIolani”とはハワイ語で「王室の鷹」を意味します。鷹とは神様に一番近い存在といわれハワイ王家の“権威の象徴”でもあります。
豪華絢爛なイオラニ宮殿には悲しい歴史がありました。

カラカウア王は「メリー・モナーク(陽気な王)」と呼ばれていました。彼は、音楽の才能に溢れ音楽を愛し王としては“世界初”の世界一周に行くなど新しい物事に敏感だった一方、宣教師によって禁止されていたフラを復活させたりとハワイの古くからの文化を後世に残すことも尽くしてきた王様でした。ちなみに日本に初めてきた、外国国家元首でこの時代から日本とハワイの交流が始まりました。しかし、1891年カラカウア王は病死。その後王位を継承をしたのが妹のリリウオカラニ女王です。

兄が王であった時代の後半から、女王として国を治めていた約２年間。
1893年白人勢力によるクーデターで退位。彼女は幾多の困難と立ち向かいながら原住民であるハワイ人の王国繁栄のため
身を捧げ尽力しましたが、その思いは叶わず、ハワイ王国は崩壊。
反乱の首謀者容疑で逮捕されてしまいイオラニ宮殿に幽閉されてしまいます。
「大切なひとたちを守る」ためにどんな大きな力や困難にも戦い続けるハワイ王国最後の女王の願いが多くの人々に希望を与え敬愛されたといわれています。

ハワイ王朝の崩壊後、彼女は、宮殿内の「王座の間」で裁判にかけられ、一般市民として余生を送ることになりました。
宮殿内にあった絨毯や家具カラカウア王が集めていた調度品などすべて政府に処分されてしまったのでした。
そして1969年までの約75年間。イオラニ宮殿は行政部の事務所として使用されました。
長い年月と修復工事を経て歴史博物館として一般公開されるようになったのは1978年。当時処分されてしまった調度品などは
少しずつ買い戻されているそうですが、現在回収されているのは、たったの4割程度だそうです。

リリウオカラ二の死から42年後。
ハワイは1959年8月にアメリカ合衆国の50番目の州として成立しました。
現在ハワイ州の紋章はハワイ“王国”の紋章を元にデザインされており、紋章の上部には「STATE OF HAWAII」州の名前ハワイが合衆国の50番目の州になった「1959」という年号の下にはカメハメハ大王と自由の女神が左右に描かれています。
自由の女神の右手にはハワイ州の州旗がしっかりと握られていますね。
ハワイアンの祖先としても考えられるタロの葉、バナナの葉、シダもデザインされ、その下部にはハワイ州のモットーである「Ua Mau Ke Ea O Ka Aina Ika Pono」(大地の生命は正義によって守られる)と刻まれています。