ハワイでハワイアンジュエリーのお店に足を運んでみると、日本と違ってK14という表記のジュエリーがとても多い事に気が付くと思います。
日本で人気があるのはK18と表記がある18金のジュエリーですが、なぜハワイアンジュエリーにはK14が多いのでしょうか?
金の含有率(純度)からみる14金と18金の違い
現在、純度99.99%以上のものを純金といいます。そして金の含有率は24分率で表示され、純金の事を24金(K24【Kはカラットという単位です】)と表示します。なぜ24分率なのかというと、最初に金を使い始めたと言われているメソポタミア文明では太陽暦などで24分率が使われていたからです。1日が24時間区切りになっているのもそこからです。
名称 | 金の含有率 | |
K24 | (24分の24)= | 99.99% |
K22 | (24分の22)= | 91.6% |
K20 | (24分の20)= | 83.3% |
K18 | (24分の18)= | 75% |
K14 | (24分の14)= | 58.3% |
K10 | (24分の10)= | 41.6% |
K9 | (24分の9)= | 37.5% |
この中でハワイアンジュエリーに多く使わているのが14金です。
表を見て分かると思いますが、14金と比べて18金の方が多く金を含んでいます。
18金と14金の1つめの違いは金の含有率です。
なお、金が多ければ多いほど価値が高いと思われがちですが、装飾品(ジュエリー)としての加工を前提に考えると、実は純金は扱いにくいのです。世界的な物質の硬さを表す単位としてビッカーズ硬度というものがあります。
ビッカーズ硬度という視点で14金と18金を比べてみる
名称 | ビッカーズ硬度 | |
K24 | 25Hv~ | |
K22 | 60Hv~ | |
K18 イエローゴールド | 140Hv~ | |
K18 ピンクゴールド | 150Hv~ | |
K18 サクラゴールド | 170Hv~ | |
K18 ホワイトゴールド | 140Hv~ | |
K18 グリーンゴールド | 40Hv~ | |
K14 | 220Hv~ | |
Silver(純銀) | 25Hv~ | |
Silver925 | 65Hv~ |
つまり、 18金と14金の2つめの違いは硬度です。

ジュエリーにおける金属の硬さの重要性
実はハワイを含むアメリカ本土ではK14のジュエリーが人気です。その理由は硬さがあるから変形しづらく、硬さがあるから輝きが持続する事。この2つが大きな理由です。
ジュエリーとは装飾品です。気軽に使ってファッションを楽しむものだという考え方なのです。合理性を重視するアメリカならでの理由なのかもしれません。
これに比べて中国などではK24(純金)のジュエリーの人気が高いです。その理由はジュエリーとはファッションという視点だけでなく、持ち運びが楽な資産としての視点が強いからです。
島国の日本ではなかなか感じる事ができなかった大きな変化がアジア各国の歴史では繰り返されて来ました。違う国に占領されてしまったり、貨幣制度が突然変わったりする中で、世界中で価値を認められている金は資産としての視点がある事にも納得がいく事でもあります。
硬さは美しいハワイアンジュエリーを持続してくれる
ハワインジュエリーの定義とは?
ハワイアンジュエリーとは自然のモチーフ・模様を、ジュエリーにタガネ(鏨)と言われる彫刻刀で彫り込んでいく事が特徴です。彫り上げていくにあたり、やはり硬さは重要です。メリハリのある美しい模様にする為に、また、その模様を長持ちさせるためには実は硬さが必要なのです。
以上の理由により、ハワイアンジュエリーには18金もありますが、他のジュエリーに比べて14金の商品が多いのでした。
なお、ハワイアンジュエリーの専門工房でもあるプアアリの職人達は14金(K14)と18金(K18)を多く取り扱っています。ハワイアンのブライダルでの注文は18金(K18)のご注文は多いのですが、柔らかくて大丈夫なの?と思われる方もいるかもしれません。
しかし、プアアリでは18金を硬くするために鍛造(たんぞう)という技法を用いて指輪を作り上げています。鍛造とは金属を叩いて鍛えて硬度を上げていく技法です。1つ1つが職人のハンドメイドによる指輪になるので、特別なハワイアンジュエリーをお探しの方には鍛造という言葉もキーワードなのかもしれません。
硬い金属に美しい模様を彫り上げていく事は高い技術と時間がかかります。美しさを突き詰めて行く為には手間暇を惜しんではいけないという事なのです。
金属素材選びについて