―ものづくりの道を極める職人松尾琢磨の原点は何だったのか。
「幼いころからモノ作りは好きで、5歳ぐらいのころ近所の住宅を建てている大工さんのところに行き、落ちている木を拾って車に近い形の木のかたまりに、飛行機のつばさみたいな板を釘でうちつけ、“空飛ぶ車”を作りました。自分的にはとてもかっこよくできたと思い、マジックで一生懸命塗ったことまで鮮明に覚えています。」
「保育園の卒園証書には、“モノづくりの発想が新しく、面白い”と、その空飛ぶ車の事が書かれていたんです。卒園証書が僕の中で生まれて初めていただく“賞状”のように感じ、もしかしたらそれがモノづくりの職人をめざす最初のきっかけだったかもしれません。」
―幼少期の鮮明な記憶。生まれてはじめての特別な勲章(卒園証書)が少年を動かしたんですね。